昨日買ったおめざを食べながら、ブログ更新。
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三銃士
アレクサンドル・デュマ:著、竹村猛:訳
角川文庫
■Summary
17世紀、ルイ13世の時代のフランス。青年騎士ダルタニャンはガスコーニュからパリへやってくる。三銃士アトス、ポルトス、アラミスの三人から決闘を申し込まれるが、いざ決闘という場面で枢機卿リシュリューの親衛隊に襲われた4人は一致団結して闘う。それ以後、ダルタニャンと三銃士は固い友情で結ばれ、ともに困難を乗り越えていく。
■Highlight
三銃士の一人アトス(このとき怪我をしている)とダルタニャンが決闘をする直前の場面。
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「そんなことはありますまい」と、ダルタニャンは威厳を保った会釈をしながら、「その傷ではひどくご不自由にちがいないのに、それでも私を相手に剣を抜いてくださるというのですからね」
「まったく不自由だ。それに君がひどく痛い目にあわせてくださったしな。しかし、左手を使うことにしよう。こんなときは、いつもそうするのでね。でも、君をなめてのこととは思わんでいただきたい。私は右でも左でもちゃんと使えるのだし、それに、君にはむしろこのほうが不利かもしれない。左利きだと知らされていないで相手にするのは、ひどく具合の悪いものだからね。こうした事情をもっと早くお知らせしなかったことは、なんとも申しわけない」
「いやいや」と、ダルタニャンはあらためて頭をさげながら、「ご鄭重なご挨拶、心から感謝をいたします」
…
「もしおよろしければ、じつは……」と、ダルタニャンはおそるおそる口を開いた。
「なんとな」
「じつは、私は驚くほど傷によく効く秘薬を持っています。おふくろから伝授されたもので、この私自身でもためしてみた薬ですが」
「それで」
それで、この薬ならあなたの傷は三日以内になおること受け合いです。だから、三日たって、あなたがなおられてから、お相手をさせていただければ、と」
ダルタニャンはこれらの言葉を率直な言い方で述べたのだが、それは彼の礼節の正しさをいよいよ示すばかりで、その剛勇をいささかも傷つけるものではなかった。
「これはまた、心きいたお申し出、気に入りましたぞ。お受けするというのではないが、いかにもりっぱな貴族の心が感じられるお言葉だ。…」
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これが騎士なのねえ、とため息が出そう。これから殺し合いをする相手同士でこういう会話ができるって。かっこええ…。
こんなの絶対にできないけれど(こんなのが求められることもないけれど)、ただただかっこよさに憧れてしまう。
映画も見てみようかな。